F 岩石衝突のパターン
 
地球近くの宇宙空間における、岩石破片の衝突は以下の5パターンが考えられるが、合理的な理由により「巨大衝突説」の集積・合体は起こり得ないものである。
 
河原に行って、手で持てる大きさの岩石を思い切り、大きな岩石に向けて投げてみると、ほとんど小さい岩石が砕けて、合体することなく散らばってしまうのは、だれでもわかることである。 
   
岩石破片は小さいので、重力がきわめて弱く、衝突したときの小さな破片を捕らえることなく、ほとんどが宇宙空間に飛散してしまうのである。
 
これはピリヤードと同じで、2つの岩石が無重力の宇宙空間において衝突した場合、破壊されないで空間に跳ね返ることが十分に考えられる。
 
2つの小さな天体(岩石)が接近した場合、お互いの重力で引っ張り合って、逆に衝突することなく、ぐるぐる回転(公転)することが考えられる。  
     
現在の月が地球の周りを公転する重心は、地球内部の中心でなく、月の方向へ4672kmずれているのである。  
    
土星の衛星で、2つの小さな衛星が3.9年ほどで奇妙な「すりかえ現象」が見られる。
 
岩石どうしの衝突では、破壊されるだけで合体することはないが、金属を多く含んだ破片の場合は衝突のときに発生する変形と熱で合体する確率が高くなる。  
これが「巨大衝突説」の大きなよりどころであるが、合体させるための大きな衝突エネルギーが生まれる機会はきわめて少なく、合体しても量は微々たるものである。  
    
それに岩石破片のほとんどは常に同じ方向で地球の周りを公転するから、合体させるための大きな衝突エネルギーは生まれにくい。  
車の追突と同じで、合体は起こらないのである。
 
金属を多く含んだ岩石破片が正面衝突した場合、衝突のショックで角運動量を失なうから、合体するどころでなく、ほとんどが地球に落下してしまうことが考えられる。 
   
そんなわけで「巨大衝突説」の集積・合体は起こり得ないと断言できる。
 
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