N 太陽系惑星の内部構造
 
惑星形成のシナリオが出来上がると、水星から冥王星に至るまでの太陽系惑星・衛星の内部構造がすべて水素でつながる。 
木星あたりになると、岩石と金属の固体粒子がうんと少なくなるので、いずれも現在考えられている「微惑星説」で「岩石・金属の核」を形成することはむずかしい。まして天王星・海王星の形成について説明不能になっている。  
水素ガスの巨大惑星は、いずれも中心に巨大な固体金属水素の核があると考えるのが合理的で無理がない。
 
 
水星−大きさが月の1.5倍ぐらいで、表面は月とよく似てクレーターの多い惑星であるが、平均密度が5.42g/cm3と重く、わずかな磁場をもつことから、中心に小さい固体金属水素の核が残っているであろう。また、水星全体で縮んだような地形がみられるのは、中心核が縮小したことをよく証明してくれる。  
水星の軌道が長い楕円で、軌道傾斜角が大きく、変則的な公転運動をしているのは、ほかの惑星よりおくれて誕生したものであろう。もし、表面に降り立って岩石を採集して分析すれば、若い惑星であることが証明されるであろう。  
    
金星−大きさと平均密度が地球と同じぐらいなので「地球のふたご惑星」といわれているが、磁場をもたないのは中心核が消滅してしまったためである。表面の地形に、地球のプレート移動がみられないのは、月という大きな衛星をもたないためである。  
      
地球−中心核がかなりの大きさで残っているので、あと数億年は磁場のベール(磁気圏)で太陽や宇宙からの影響を守ってくれるはずである。マントルは深くなるほど地震波が伝わる速度が速くなるので、鋼鉄のような金属の層が存在する。月の潮汐力がおよぼす地球の地殻の変形から、地球の剛性率が鋼鉄の剛性率にほぼ等しいこととよく一致する。  
    
−平均密度が小さく、磁場をもたないのは、中心核が消滅したためである。地球に衝突しても破壊を免れたのは、中心核が縮小する前の出来事だったのであろう。  
    
火星−平均密度が小さく、磁場をもたないのは、月の場合と同じである。  
    
小惑星−最近行ったエロスの探査機によると、惑星の破片であったことがわかった。母体が破壊されたのは、岩石の層がうすかったため、いん石の衝突で割れて内部の水素ガスが大爆発を起こしたものであろう。
      
 
軌道が正確にわかっている小惑星は、1999年3月2日に1万個に達した(太陽系カタログより)。  
小惑星はいずれもいびつな形をしており、そのサイズと数量分布のデータでみると、岩石を爆発させたデータとよく一致している。このことから、惑星になりそこねた「微惑星」ではなく、大きな惑星が大爆発を起こしたと考えるべきである。  
現在の「微惑星説」で、小惑星の大爆発を説明することは不可能である。空洞の天体を否定して、中身のつまった天体を破壊させるほどの衝突エネルギーは、太陽系空間に存在しない。  
中身のつまった岩石をハンマーで思い切りたたいても、なかなか割れないが、内部が空洞のカメをたたき割ることは簡単にできる。
 
 
木星−中心には巨大な固体金属水素の核があり、強力な磁場を生み出す役割をしている。太陽から受ける熱よりも内部から出る熱が大きいこともよく証明している。 
     
土星−水に浮くほど密度が小さいのは、おそらく巨大な衛星が回っていて、その潮汐力で中心核の蒸発が早くすすんだためであろう。巨大衛星も少しづつ蒸発しながら、今の見事な巨大リングをつくったのである。 
     
天王星・海王星−ともに内部構造が同じで、一部は自分の熱で蒸発するよりも低温で早く凍りついてしまったのであろう。  
    
冥王星−太陽からはるかに離れていると、自分の熱で蒸発するよりも極低温で早く凍りついてしまう。  
     
すい星−はるか遠くから接近して、太陽のすぐ近くをまわっていくので、チリで汚れた「氷」の核から水素系のガスが吹き出していることが、最近の探査機で観測されている。
 
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