M 惑星形成のシナリオ
 
地球と月の内部に空洞の部分があるとは、とても信じられず、まさに天と地がひっくり返るような大胆なコペルニクス的転換であるが、物理学的に正しく今いちばん合理的な「惑星形成のシナリオ」があきらかになるのである。
 
前ページの図から、液状の核部分を色ヌキして、空洞化させたのが左図である。初期の惑星・現在の地球・月の3つを並べてみると、中心の「核天体」が何億年もかかって少しづつ小さくなり、しまいには中心核がなくなってしまうようにみえる。            
では、未知の「核天体」とはいかなるものであろうか。      
まず、岩石や金属でできたものは、縮小して消滅することがありえないから、残る可能性はガス(気体)が固体化したものしかない。
 
 
どんどん温度を下げていくと、気体は液体になり、さらに固体になる。固体では分子が振動しているが、さらに温度を下げていくと分子はおとなしくなり、−273℃になるとついに振動もしなくなる。つまり、分子は止まってしまうのだ。      
これ以上、分子の運動はおとなしくなりようがない。分子の運動の激しさを表すものが温度だったから、これが最も温度の低い状態ということになる。そこでこれを絶対0度という。(図解雑学「物理のしくみ」より引用)      
         
宇宙空間のほとんどを占めているものは、水素である。水素のガスが冷えると、液体水素になり、さらに冷えると固体水素の塊になる。この塊が重力によって、回りの水素やほかのガス・チリ(固体粒子)を集めて、どんどん大きくなる。そして、重力による超高圧で、固体水素が金属化して、電気の導体となることが実験で確かめられている。      
         
惑星をつくるもとになった未知の「核天体」とは、宇宙空間でつくられた固体金属水素の塊である。しかし、冷えたものはいつまでも金属状態のままで、縮小することはありえない。      
そこで、太陽系空間からチリを集めて初期の惑星をつくった、固体金属水素の「核天体」は高温の熱をもっていたものと考えられる。これは「地球・月が最初にできたころは、マグマの海でおおわれていた」という、現在の惑星形成理論とよく一致する。
 
 
「核天体」の熱源は、集積や重力のほかに内部中心で起きた核融合反応の大爆発によるものであろう。    
      
宇宙空間で巨大な水素のガス雲が自らの重力によって収縮していくと、低温と高圧でアッという間に固体金属水素の核ができあがる。そして、中心部で1億度以上の超高温と固体を1000倍以上に圧縮するくらいの超高圧で水素の核融合反応が起きる。    
この大爆発で大小さまざまな破片が広大な宇宙空間に飛散した。巨大な「核天体」はその後も周囲のガスとチリを集めて大きくなり、ふたたび核融合反応の大爆発をくりかえしたかもしれない。    
      
大爆発がおさまった大きな水素の「核天体」は、原始太陽となって、周囲に近づいた小さな「核天体」の破片を次々と取り込んで、途中で衝突し合ったり、原始太陽に落下したり、さまざまな運動を経て、惑星と衛星・すい星をしたがえるようになったのであろう。    
そうすると、惑星が太陽の周りを公転するための大きい「角運動量」がうまく説明できるのである。
 
   
まわりのチリを集めて初期の惑星ができてから数億年たつと、地殻とマントルに分化して冷えて固まる。    
      
中心の固体核は、もともと水素の固まりだから、自分の熱で表面が液体化して、やがて液体から分子が飛び出して蒸発(ガス化)していく。水素の固体核が蒸発してできたあとが「空洞」の部分というわけである。    
      
また、中心の固体核は電気の導体であって、自転することによって惑星(地球)の磁場をつくり出した。中心に浮いているので、地球の自転軸と磁場の軸が合っていないことや磁極の逆転現象をうまく説明できる。
 
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