O すい星の起源の謎を解く
 
ときおり地球近くに訪れて、天文ファンの目を楽しませてくれる、すい星の起源については依然として謎のままである。  
太陽からおよそ10万天文単位のところに「オールトの雲」とよばれる、すい星の巣があって、何らかの働きで太陽へ向かったと考えられているが、まだ具体的なメカニズムは解明されていない。
 
 
(ヘール・ボップすい星)
 
 
すい星は太陽の近くまで飛来すると、太陽からの熱によってその表面から核の主構成物質である氷が昇華し、「コマ」とよばれる大気をまとって明るく輝くようになる。コマの中には、氷が昇華する際に表面から放出されたチリや、太陽からの紫外線によって電気をおびたイオンが存在し、それらは太陽から噴きつけられる太陽風によって、それぞれ「チリの尾」と「イオンの尾」をつくる。(太陽系全カタログより引用) 

すい星の核が単なる氷の固まりならば、太陽の近くを回るきらないうちに蒸発して消滅するはずである。放出された物質の量や周回の回数をみれば、すい星の核は高密度の固体水素であることは間違いない。  

さて、すい星の軌道は上図のように細長い楕円形を描いているものが多く、しかも軌道傾斜角度が惑星・衛星と大きく離れているので、初期の太陽系ガス雲のなかで形成された可能性はない。 
仮説の「オールトの雲」から、どのようにしてすい星が太陽へ向かっていくのか。あまりに離れすぎているため、ほとんど静止しているから、すい星どうしが衝突して、太陽へ向かって落下する可能性もない。 

もういちど、すい星の長楕円軌道をみてほしい。よくみると、地球から打ち上げた人工衛星の長楕円軌道と そっくりである。もしかすると、すい星は太陽から爆発で打ち上げられたものではないだろうか。

 
 
太陽をつくる物質の76%は水素で、23%はヘリウム、1%が残りの元素と考えられている。シュトレームグレンの研究によれば(1965年)、太陽の中心温度は1570万度で、中心密度は158g/cm3である。 
   
太陽の重力はきわめて大きいので、宇宙空間にあった固体水素の破片(核)を多く集めていたはずである。大小さまざまな固体水素の破片の間で、部分的に水素の核融合反応が起こり、その大爆発エネルギーで無数の破片が吹き飛ぶことが考えられる。 
   
惑星や衛星の表面に多くみられるクレーターは、いん石の衝突でできたと説明されているが、いん石の物質はどこにも発見されていない。クレーターをつくった、いん石の正体は太陽の大爆発で吹き飛んできた固体水素の破片ではないだろうか。そうすればクレーターをつくったあとに固体水素の破片が粉砕して蒸発して消えたという説明がつく。 
アメリカのアポロ探査によると、クレーターはある時期に集中してできたことがわかっているので、太陽の大爆発とクレーターの成因に深い関係があることは間違いない。
 
 
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