L 惑星内部の進化
 
作者が提唱する「核天体説」では、まず太陽系空間に未知の核天体があって、チリ(固体粒子)が集められて、初期の惑星ができたのであるが、現在知られている地球の内部構造と矛盾するところがある。    
これは、惑星の内部において想像以上の「進化」が起きたためであろう。
 
左図が初期の惑星であり、中央図が現在の地球で、右図が現在の月の内部構造である。    
なぜ、こんなにちがう内部構造が形成されたのであろうか。    
「微惑星説」によれば、高熱で溶けた鉄・ニッケルなどの重い元素が沈んで、中央の固体核(内核)になり、回りに液状の核(外核)が取り囲み、岩石層のマントル・地殻という多重構造になったものと考えられている。    
      
月の内部については、まだ裏側に地(月)震計が置かれていないが、これまでのデータで固体核がないものと考えられる。
 
 
上図は(4)で取り上げたように、「マントル」と「核(コア)」の格差が大きいことは驚異である。地震の「よこ波」を通さない「外核」は液状と考えられているが、中心部へいくほど圧力が高くなりながら、なぜ急に液状になるのか、また液状というのは鉄が溶けたものなのか、まだ理論的に解明されていないことは不思議なことである。
 
 固体を加熱すると、膨張して、液体になる。超高圧のなかでは起こり得ない。
 
固体では分子どうしが引き合って強く結びついている。いわば隣の分子と手をつなぎあっているわけで、勝手に動き回ることができない。ところが加熱すると振動が激しくなるので、それぞれが大きく振動できるように、分子どうしの間が少し広がるようになる。これに合わせて物体全体の大きさも少し大きくなる。これが「膨張」という状態である。    
さらに加熱して振動が激しくなると、隣の分子とつないだ手が振りきられ、分子は勝手に動き出してしまう。これが、融けるということであり、「融解」とよばれている。(図解雑学「物理のしくみ」より引用)    
       
地球の内部に行くほど、熱が高まるが圧力が強くなるので、分子の間が縮まって金属のように固くなる。それが急に融けて液状になることは、常識的にありえないことである。    
もういちど、上の分布図を見てほしい。よく知らない人は、マントルと内核の間は「何もない」と思うはずである。    
地震のよこ波を通さないのはなぜなのか、それは何もない「空洞」だからである。    
      
月の非常に長い地(月)震データで「月は空洞の天体」と主張する研究者はいるし、はるか昔に「地球空洞説」という途方もない珍説が出ていたが、現在の多くの科学者・研究者は「地球・月の内部が空洞の天体になることは絶対ありえない」と完全に否定している。    
しかし、超高圧のなかで液状の核ができることはありえないことだから、素直に「空洞説」を検討してみてもいいのではないだろうか。そこに太陽系惑星の起源を解く、大きなカギがあるように思える。
 
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