D キャメロン教授の「巨大衝突説」
 
「巨大衝突(ジャイアント・インパクト)説」は、ハ−バ−ド大学のアル・キャメロン教授がコンピュ−タ−・シュミレ−ションを使った研究で生まれたものであるが、以下の説明をみると合理性に乏しく、地球の強い潮汐力を考慮に入れていないなど、あきらかな間違いがみられる。
 
(以下、Newton「太陽系全カタログ」の巻末:宇宙デジタル図鑑より引用)
  
 
コンピュ−タ−を使った、キャメロン教授のシミュレ−ションです。大きい方が地球です。赤はマントルの部分。青は重い金属の核を表しています。 
地球の半分ほどの大きさの天体が、やや斜めに地球に衝突します。両者は一旦離れそうになりますが、再びお互いの引力で近づいていきます。 
衝突した天体の核は重いため、地球の核と一緒になってしまいます。逆に外側のマントルの部分は、破片になって飛び散ります。これらのマントル物質が再び集まって月ができたというのです。 
コンピュ−タ−・シュミレ−ションは、月が主にマントル物質でつくられていること、そして月の中には金属の核があっても小さいことを見事に説明してくれたのです。
 
  
<作者評> 
何だかよくわからない理論である。激しくぶつかったときに高温の熱エネルギーが発生するが、両者の重い金属核がただちに融けて合体することは考えにくい。それに飛び散ったマントル物質の破片は、脱出速度を超えたものは宇宙空間に放出され、速度が低いものは地球に落下していくはずである。それに、地球の潮汐力を受けるから「ロッシュの限界」で、粉砕された破片群は1つの天体に凝縮・集積することなく、かろうじて地球の周りに残った破片群は土星のリングや小惑星帯のように帯状のまま周回し続ける可能性が高いのである。
 
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