C 地球と月の「内部構造」
   
地球と月の内部構造には大きな違いがみられる。現在わかっている範囲で紹介してみよう。
  
 
先に述べたように、地球の平均密度は5.52g/cm3であるのに、表面(地殻)にある岩石の平均密度が3g/cm3程度であるので、内部には密度の大きい物質があるものと予想できる。内部へいくほど圧力が強くなるわけであるが、物質の密度は必ずしも圧力に比して増加しないことが地震学その他で明らかにされている。  

表面(地殻)から深さ2900kmあたりまでが「マントル」で、それより5100kmまでが「外核(コア)」、さらに中心部までが「内核(内側コア)」と呼ばれている。  

一方、月の内部構造は、最近の探査情報によって、月の「地殻」の厚さは地球に向いた表側が薄く、裏側は逆に厚いことがわかっている。また、月の重心は形の中心から葯2km地球に寄っている。

 
 
地震波には「たて波」と「よこ波」がある。上の図をみると、「マントル」と「核(コア)」の格差が大きいことは驚異である。「よこ波」を通さない「外核」は液状と考えられているが、中心部へいくほど圧力が高くなりながら、なぜ急に液状になるのか、また液状というのは鉄が溶けたものなのか、まだよくわかっていない。
 
上の図は、地球の「内核」部分をカットしただけで、作者が想像したものである。 
月の「深発地震」は、だいたい深さ500〜1000kmで起きているが、その規模はマグニチュード2程度で、地球のマグニチュードが7程度と比べるとはるかに弱いものである。月の地震が弱いということは、それだけ月が丈夫な内部構造をもつ天体といえるのではないだろうか。 

1000kmより深い「核(コア)」は地球の場合と同じく「よこ波」を通さない、液状のものになるはずである。そうしなければ「ゴーンという長い振動」現象を説明できないのである。

 
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