相棒の星、
蒸発させる「毒グモ星」
 

 二つの星が互いを回る連星系で、小さくて重い星が周囲に強烈な風を吹き出し、より大きな“相棒”の星を加熱して蒸発させている「毒グモ中性子星」と呼ばれる珍しい天体を、谷津陽一・東京工業大助教らのチームが発見した。

 チームは北海道から沖縄・石垣島までの12台の望遠鏡や、南米チリなど海外の3台の望遠鏡と連携。エックス線天文衛星「すざく」も加え、みずがめ座の方角にあり、地球から約3600光年離れた正体不明の連星系を観測した。

 その結果、中心にあるのは、星が一生を終えて爆発した後に残り、半径10キロほどだが非常に重い「中性子星」と判明。周りを回る半径約10万キロの恒星は、表面温度が周期的に3千〜7千度と変化しており、中性子星に向いている面が蒸発していると判断した。



毒グモ中性子星と呼ばれる星(中央の小さな点)と、
蒸発している恒星(右)の想像図
(東京工業大学提供)

<平成24年3月19日付、北國新聞>

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