木星衛星に巨大な湖か  
NASA探査 生命存在の可能性?


 【ワシントン共同=池内孝夫】米航空宇宙局(NASA)は17日、木星の衛星エウロパの表面を覆う氷の下に、米国の五大潮に匹敵するような巨大な湖がある可能性を示す新たな証拠を見つけたと発表した。米テキサス大のチームによる木星探査機ガリレオを使った観測で分かった。

 水は、生命誕生に欠かせない条件とされる。チームは、ガリレオが撮影したエウロパの表面の氷の形状を、地球の南極などの地形と比較。エウロパの一地点に見つかった切り立ったがけや、くぼみに落ち込んだ形状は、厚さ数キロの氷の下部に大量の水があって、氷と盛んに混じり合って形成された可能性が高いことを突き止めた。

 氷と水が混じり合えば、水中にも栄養分やエネルギーが運ばれているとみられ、チームは生命の存在にとって有利に働く可能性があるとみている。



エウロパの表面を覆う氷の層の中にある巨大な湖(中央)のイメージ図
(テキサス大提供・共同)

エウロパ 木星に約60個ある衛星の一つで、半径約1600キロと大きめの衛星。3日半で木星を1周する。 1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイによって発見された。表面は厚い氷に覆われているが、深部に水の存在する可能性が指摘され、生命の存在も期待されている。表面には、長いひび割れの跡のような独特の形状が多くみられる。


<平成23年11月18日付、北國新聞>

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