太陽系に新惑星か  
海王星外側に存在推定

神戸大教授らが分析、地球から120億キロ以上遠くに

 海王星の外側で地球から120億キロ以上離れた位置に、未知の太陽系惑星の存在が推定されるとの研究結果を、神戸大のパトリック・リカフィカ研究員と向井正教授らが27日、発表した。天体の軌道などから分析した。

 質量は地球の30〜70%、太陽の周囲を楕円軌道で回り、地球などの軌道面から20〜40度傾いているとみられる。約1000年かけて一周しているといい、これまでの太陽系天体の観測範囲にはほとんど入っていなかったという。

 国際天文学連合の惑星の定義を満たす可能性が高く、向井教授は「大規模な調査を行えば、10年以内に発見される可能性がある」と話している。

 太陽系の8つの惑星は、黄道面と呼ばれる面に沿って円に近い軌道を回っているが、海王星の外側にある無数の小天体群「太陽系外縁天体」には大きく傾いた楕円軌道のものが多く、向井教授らは、その理由を考えた。

 45億〜40億年前に海王星の近くにあった未知の惑星が、海王星の重力の影響で遠方に飛ばされ別の軌道に乗ったと想定。その後の40億年間について、未知の惑星や周りの太陽系外縁天体の軌道分布の変化をシミュレーションすると、現在の軌道分布の特徴をうまく説明できたという。 



神戸大の向井正教授らが太陽系のはるか外周に存在すると
理論的に予測した惑星級新天体の想像図(右上は太陽)
(フェルナンド・ダンドレア氏、神戸大提供)


太陽系惑星
 従来は明確な定義はなかったが、国際天文学連合(TAU)は2006年、太陽の周りを回り、質量が大きくほぼ球形をしており、軌道付近にほかの天体がない−という定義を決めた。水星から海王星までの8天体が当てはまり、従来惑星とされていた冥王星は除外された。


<平成20年2月28日付、北国新聞>

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