月面着陸10年以内に  
宇宙開発委が計画
、「かぐや」後継機で無人探査

 宇宙開発委員会計画部会は11日、月周回衛星「かぐや」の後継機となる無人探査機「セレーネ2」を今後10年以内に月面に着陸させることを目指す宇宙開発長期計画の中間報告案をまとめた。

 中間報告案では、月は地球に最も近く、さらに遠くの宇宙探査の足掛かりとして期待されると指摘。小惑星探査機「はやぶさ」などで築いてきた日本の無人探査技術を、人類にとって未知の領域である月・惑星探査に生かすとした。国際的な関心も高まっており、独自の月探査は宇宙開発での影響力を確保する上でも重要だと強調している。

 具体的には、無人機を月面着陸させて、周回軌道上から遠隔観測している「かぐや」よりさらに詳しい化学組成や深部のデータを得て、月の成り立ちと進化の理解に役立てたり、月面を移動する技術を確立したりしたいとしている。

 長期計画の審議では、昨年7月にいったん素案がまとまったが、10月に打ち上げられた中国「嫦蛾1号」をはじめ米国、インドなど世界で月探査計画が活発化したのを受け、あらためて作業部会を設置。「2010年代中ごろまでに無人機を着陸させ、月面探査車を走らせる」とする作業部会の提言を反映した。今後、報告案に対する一般からの意見を募集し、ことし3月までに最終決定する。 



月周回衛星「かぐや」の後継「セレーネ2」の着陸想像図
(宇宙航空研究開発機構提供)

<平成20年1月12日付、北国新聞>

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