クレーターくっきり  「かぐや」月観測軌道に投入
宇宙開発機構「危機発生段階終わる」

 宇宙航空研究開発機構は21日、月周回衛星「かぐや」を月観測軌道に投入することに成功したと発表、高度約90−120キロから撮影したクレーターなどの画像も公表した。

 軌道は、月に近いところで約80キロ、遠いところで約120キロ。かぐやは精密な姿勢制御ができるようになり、観測機器を月に向ける作業も完了。12月から本格観測を始める予定。
 画像は、かぐやのアンテナや観測機器を監視するカメラで撮影した。一枚は月の南極付近の横約200キロ、縦約150キロの範囲で、約180キロ離れた二つのクレーター「デモナックス」と「ヘール」をとらえた。別の画像では、弧を描く南極近くの月面と、その奥に小さく浮かぶ地球が見える。
 かぐやは9月14日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。順調に飛行し、搭載燃料は予定より数10キロ多く残っているという。
 宇宙機構の滝沢悦貞プロジェクトマネジャーは「危機的状況が発生する可能性のある段階は終わった。観測の準備に入れるようになり、ほっとしている」と話した。  



月周回衛星「かぐや」が18日に撮影した月の南極付近。
横約200キロ、縦約150キロの範囲で、左上にクレーター
「デモナックス」(矢印@)、右上に「ヘール」(同A)が見える。
手前は通信用アンテナ=写真上=と、撮影した月の南極付近と
地球(矢印)。手前は観測機器=写真下=
(宇宙航空研究開発機構提供)

<平成19年10月22日付、北国新聞>

HOME太陽系ニュース目次

inserted by FC2 system