「かぐや」が子衛星を分離
監視カメラで月も撮影
 
 宇宙航空研究開発機構は9日、月周回軌道に入った衛星「かぐや」が、月の裏側の重力分布の様子を世界で初めて直接観測するための子衛星1基を分離したと発表した。分離後の子衛星とかぐやの状態は正常だという。同時に、アンテナ監視用カメラで撮影した月の画像も公開された。

 宇宙機構によると、かぐやは9日午前9時半すぎ、2基ある子衛星のうちの1基の「リレー衛星」を分離した。

 リレー衛星は、重さ約50キロの八角柱状で、最も近いところで高度約100キロ、遠いところで約2400キロの楕円軌道で月を回る。かぐやが地球からは見えない月の裏側に入った際に電波を中継する。その際、月の重力の影響でわずかに変化するかぐやの飛行状態を、電波の届き具合から追跡し、月の成り立ちと密接に関係する重力分布を探る。

 かぐやの電波受信器は金大総合メディア基盤センターの笠原禎也准教授らが関発した。  




衛星「かぐや」がアンテナ監視用カメラで撮影した月。
左側約3分の2は、地球からは見えない月の裏側
(宇宙航空研究開発機構提供)

<平成19年10月10日付、北國新聞>

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