周回衛星「かぐや」13日打ち上げ
月の実像解明ヘ  「アポロ」以来の本格探査

 ファースト・ウェーブ(最初の波)−。米航空宇宙専門誌エビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジーは、宇宙航空研究開発機構が13日に鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げ予定の月周回衛星「かぐや」の特集にこう見出しを立てた。世界的にも、1960−70年代の米アポロ宇宙船以来初の本格的探査。最も身近にありながら、起源さえはっきりしない謎の天体、月の実像がかぐやの多彩な観測によって明らかにされる。

 月周回衛星かぐやの探査の成果で、真っ先に地球に届く可能性が高いのは、月の観測データではなく地球の映像だ。

12月「地球の出」公開

 米国のアポロ宇宙船が撮影した月の地平線から昇る地球の姿を記憶している人は多い。かぐやは今回、この「地球の出」をハイビジョンカメラで鮮明にとらえる。かぐやが月の上空約100キロの周回軌道に入るのは打ち上げの約40日後。さらに約2ヵ月間、搭載機器を点検してから本格観測を始めるため、地球の出の公開は12月ごろの見通しだ。

 ほかの観測成果はもう少しお預けになる。光学カメラによる月全球の地形観測は、太陽の光が当たっている場所しかできず、本格的な観測開始から約2ヵ月かかる。大小きまざまなクレーターや山脈、平地など、地球から見えない裏側を含む詳細な地形が公表されるのは来年になる。  



かぐやの軌道上想像図
(宇宙航空研究開発機構・池下章裕さん提供)

<平成19年9月8日付、北国新聞>

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