冥王星「消えた」
水金地火木土天海、太陽系は8惑星
国際天文学連合が決定、発見から76年、格下げ

 【プラハ24日共同=八谷敏弘」プラハで開かれている国際天文学連合(IAU)の総会は24日、従来の太陽系惑星9個から冥王星を除外し、水星から海王星までの8個とする新しい定義の決議案を出席者の賛成多数で可決した。
 冥王星は他の8惑星より格段に小さい上、軌道が傾いていることや、似たような大きさの天体が1990年代以降、次々に見つかっていることが決め手になった。1930年に発見されてから76年。なじみ深い“第9惑星”が格下げされる歴史的決定で、学術的な意味に加え、教科書の書き換えなど教育、文化の多方面に影響しそうだ。
 総会ではまず、太陽系惑星を“水金地火木土天海”の8個とし、これらより小さい冥王星はその他のいくつかの小天体と合わせて「矮惑星」という新分類に入れるとの一つ目の決議案が挙手で可決された。次いで、冥王星を含む矮惑星を惑星の一種として認める二つ目の決議案を協議したが、否決された。二つの採決により矮惑星は惑星から除外されることが確定した。



 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星(最も大きい星)。衛星ではなく二重惑星とされ、
一時は新惑星候補に挙がったカロン(右下)や2個の衛星が周囲を回っている。
(米航空宇宙局=NASA、欧州宇宙機関=ESAなど提供)

穴水の坂下さん「残念」
 IAUの決定を受け、冥王星の存在を数学的に予知した米国の天文学者パーシバル・ローエルを称える日本ローエル協会の坂下磯副会長(83)=穴水町川島=は「残念な結果だが、これで多くの人が天体に関心を持つ機会になってほしい」と語った。穴水星の会の岡崎善二さん(53)は「それでもローエルの偉大さは変わらない」と話した。

<平成18年8月25日付、北国新聞>

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