小惑星イトカワ、内部はスカスカ
はやぶさの探査データで判明

 宇宙航空研究開発機構は、探査機はやぶさが着陸した小惑星イトカワは、がれきを寄せ集めたような、すかすかの構造だったとする研究成果を2日付米科学誌サイエンスに発表した。
 小惑星探査史上で最も近い高度63メートルからはやぶさが撮影した、鮮明な地表の画像も公開した。
 機構によると、小惑星イトカワの岩石は地球に落下する隕石「普通コンドライト」と同じで、密度は1立方センチで3.2グラム。しかし、はやぶさにかかった重力から割り出した質量と体積で計算した小惑星全体の密度は1.9グラムしかなく、約40%程度のすき間があると推察されたという。
 地球の5.5グラムや火星の3.8グラムと比べても圧倒的に軽く、米航空宇宙局(NASA)が探査機で観測した小惑星工ロスの2.4グラムよりも軽かった。
 表面にクレーターがないことから、小惑星にある大きな岩石は、落下した隕石ではなく、星ができたときからあるとみられる。大きな天体同士が衝突して飛び散った大小の岩石が、互いの弱い引力で寄り隼まって今の姿になっているらしい。



探査機はやぶさが撮影した小惑星イトカワ表面。3枚を1枚に合成
(宇宙航空研究開発機構提供)

<平成18年6月2日付、北国新聞>

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