「謎の彗星」
崩壊する核
観測に成功
国立天文台など、すばる望遠鏡で


 分裂を重ねながら地球に接近している「シュバスマン・バハマン(シュワスマン・ワハマン)第3彗星」の核の一つが崩壊する様子を、国立天文台や台湾中央大などの研究チームが11日までに、すばる望遠鏡(米ハワイ島)で観測することに成功した。
 第3三彗星は1930年に発見されたが、その後半世紀近く観測できなかった「謎の彗星」。太陽の周りの楕円軌道を5年5ヵ月弱で1周しており、12日に地球に最接近する。その際の距離は地球−月間の30倍に相当する約1200万キロ。
 「汚れた雪玉」と呼ばれる彗星は、太陽に近づくと、中心の核からガスやちりが噴出し、周囲を取り巻くコマや尾ができる。第3彗星の核は50個以上に分裂しており、研究チームは3日、そのうちの「B核」がさらに13個の破片に分かれている様子をとらえた。破片の大きさは数10メートルだが、それぞれコマや尾があり、「小さな彗星」だという。



すばる望遠鏡で観測したシュバスマン・ワハマン第3彗星のB核。
左下は分裂した破片(矢印)の拡大図
(国立天文台提供)

<平成18年5月12日付、北国新聞>

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