観測ロボ投下失敗か
小惑星イトカワ、探査機本体は19日着陸へ

 宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)の探査機「はやぶさ」が12日、小型観測ロボット「ミネルバ」を小惑星イトカワに向けて投下したが、宇宙機構は同日夜、「着地できず、離れていったもようだ」と発表した。小惑星には届かず、投下は失敗した可能性が高い。
 探査機本体に異常はなく、宇宙機構は予定通り19日に着陸に挑戦。世界初の小惑星からの岩石採取を試みる。
 宇宙機構は12日午後3時すぎ、同機構相模原キャンパス(神奈川県相模原市)のはやぶさ運用室から探査機に指令を出し、同24分ごろ、ミネルバが投下された。地球から見て太陽の反対側、約2億9000キロ離れたはやぶさに指令が届くのには約16分かかる。
 はやぶさは小惑星に衝突しないよう、上昇と下降を繰り返して降下したが、ちょうど上昇中に指令が届き、やや上向きに、予想を超える高度約200メートル近くでミネルバを放出したらしい。
 宇宙機構の川口淳一郎教授は記者会見で「最善を尽くしたが、高度を適切に管理しきれない面があった」と話した。


探査機「はやぶさ」が接近中にとらえた小惑星。
探査機の影(円内)が見える「イトカワ」の表面
=12日午後1時40分(宇宙航空研究開発機構提供)


探査機「はやぶさ」が投下した
小型観測機器「ミネルバ」
「宇宙航空研究開発機構提供)

<平成17年11月13日付、北国新聞>

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