「断定早い」慎重論も
太陽系第10惑星
 大きさだけで認定できず

 「十番目の太陽系惑星を発見した」との米航空宇宙局(NASA)の30日の発表について、専門家の間からは「断定はまだ早い」などと、慎重な声が上がっている。
 惑星か否かの検討は、来年夏にプラハで開かれる国際天文学連合(IAU)の総会でスタートするが、結論が出るまでに時間がかかりそうだ。
発見した米国の研究者は、最大で冥王星の1.5倍とした天体の大きさを、惑星と判断した根拠に挙げている。だが国立天文台の渡部潤一助教授は「認定には同じような軌道面に似た大きさの天体が無いことも必要で、冥王星より大きいというだけでは認定できない。私自身は惑星ではないと思う」と話す。
神戸大の向井正教授 (惑星科学)も「今回見つかった付近では、太陽の周りを回る天体が既に千個近く見つかっている。冥王星も今回の天体もこの仲間と考えた方がよいと思う」と否定的。大きさについても「天体が光を反射する能力が分からないと、はっきりしないのではないか」とした。


<平成17年7月31日付、北国新聞>

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