地表に浸食跡 土星衛星タイタン
空、地表淡いオレンジ
 
 【マイアミ(米フロリダ州)15日共同】欧州宇宙機関(ESA)は米東部時間15日早朝(日本時間同日夜)、土星最大の衛星タイタンに着陸した小型探査機ホイヘンスが撮影した初のカラー画像や降下中に録音した風切り音を公開した。
 カラー画像は、測定した分光データから色を再構成。地表や空はオレンジがかった淡い色だった。画像を分析した結果、岩か氷の塊とみられる物体の下に浸食された跡が見つかり、川のように流れる液体が存在する可能性がより濃厚になった。
 また、この物体は詳しい計測の結果、数センチから十数センチの大きさと分かった。地表は暗く、水と炭化水素の混合物の氷で覆われているとみられる。
 降下中に約8キロ上空から撮影した画像には、水路のような地形が刻まれた隆起した土地と低地との境界線が、くっきりと見える。
 
 
小型探査機ホイヘンスが撮影した土星の衛星タイタン地表の初のカラー画像。岩か氷の塊とみられる物体は小石ほどの大きさ。地表は暗く、水と炭化水素の混合物でできていると考えられる。物体の下には浸食の跡があり、液体が流れてできたことを示唆している(欧州宇宙機関提供)
 
 
霧も存在?
小型探査機ホイヘンスが高度8キロから撮影した360度パノラマ画像。画面の左上近くで横に長い白い筋は霧とみられる。(欧州宇宙機関提供)
 
<平成17年1月16日付、北国新聞>
 
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