タイタン土星衛星に探査機着陸
原始地球と類似、本格調査 【マイアミ(米フロリダ州)14日共同】土星を周回中の米欧の無人探査機カッシーニから昨年末に放出された欧州宇宙機関(ESA)の小型探査機ホイヘンスが、米東部時間14日午前7時45分(日本時間間午後9時45分)すぎ、土星最大の衛星タイタンに着陸した。 探査機のタイタン着陸は初めてで、カッシーニによる一連の土星探査は、大きな収穫を得ることになる。
【タイタン】 1655年にオランダの物理学者ホイヘンスが発見した土星最大の衛星。直径約5150キロで、水星、冥王星より大きい。太陽系の衛星の中で唯一、分厚い大気を持つ。大気の濃さは地球の1・5倍。太陽から遠いため、表面温度は零下179度。
科学者、生命の起源探し手掛かりに期待 表面温度が零下179度と極寒のタイタンに、現時点で生命体が存在する可能性は非常に低い。ただ、大気に窒素が多いことや、メタンなどの有機物が豊富にあることなど、地球との共通点も多い。科学者らはタイタンに存在する有機物を詳しく調べれば、地球生命の起源探しの手掛かりが得られる可能性があると期待を寄せている。 地球の生命は、海に溶け込んださまざまな有機物が、落雷などのエネルギーによって複雑な化合物に変わったのがきっかけで誕生したと考える科学者が多い。 タイタンの大気に含まれるメタンの供給源となっている候補のーつと考えられるのが「メタンの海」。海があれば、原始地球と同様「有機物のスープ」かもしれず、成分を調べれば、生命へとつながり得る化合物を特定できる可能性が出てくる。このため、過去に地上から行われた観測でも、海が存在するかどうかの解明に力が注がれた。だが結局はっきりせず、ホイヘンスの観測に大きな関心が集まっている。 ---------------------------------------------------------------------------------- |