惑星の形成過程解明へ手掛かり
初観測 ちりの3重リング がか座ベータ星
   
 地球から63光年と比較的近い「がか座ベータ星」の周囲に、太陽系の小惑星帯よりもっと細かいちりの3重のリングがあることが、茨城大や宇宙航空研究開発機構、国立天文台などの共同研究チームの観測で分かり、「微惑星帯」と名付けられた。惑星はちりが集まってできると考えられており、形成過程を解明する上で重要な発見だという。研究成果は7日付の英科学誌ネイチャーに発表された。
 がか座ベータ星の周囲には、円盤状のちりがあることが以前の観測で分かっており、岡本美子茨城大助手らは昨年12月、すぱる望遠鏡(米ハワイ島)を使い、赤外線で観測。その結果、ケイ素化合物の微粒子のリングが三つあることが分かった。太陽系に例えると、最も内側のリングは木星、最も外側は冥王星あたりの軌道に相当。3つとも太陽系の小惑星帯より内側にある。
 太陽系以外の惑星を望遠鏡で観測することは技術的に難しく、ちりから形成される途中の惑星を直接見ることはできない。微惑星のリングは惑星が生まれる前にもできるとみられるが、今回見つかったリングは惑星が誕生した後の残りかすと考えられるという。
  
  
ベータ星(右上の明るい星)の周囲にリング状に分布して衝突する小天体と、
ちりの想像図。中央の小天体が、ちりをまき散らしている
(宇宙航空研究開発機構提供)
 
<平成16年10月7日付、北国新聞>
 
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