探査車、火星の地に
着陸台から降り立つ

  【ワシントン15日共同=井田徹治】米航空宇宙局(NASA)は、米東部時間の15日早朝(日本時間同日午後)、火星に着陸した無人探査車スピリットを着陸用の台から移動させ、火星の表面に初めて降ろす作業に成功したと発表した。
 スピリットは、火星の表面を自力で走り回るために残っていた最後の難関を突破、本格的な地質調査などを始める。
 NASAは同日未明から、スピリットを台の上から地表に向け徐々に移動させる作業を実施。午前5時(日本時間午後7時)すぎに、無事、火星の地表に降り立ったことが確認された。
 地球との交信状況も良好で、スピリットは乗っていた台の写真や火星の大地の写真などを送信してきた。
 スピリットの最大の課題は、さまざまな地質調査のための機器を駆使し、かつては湖だったとされる着陸地点のグセフクレーター周辺で、過去に火星表面に水が存在した証拠を探ること。
 着陸地点のすぐ近くに確認されたくぼ地の調査をした後、約250メートル先にあるクレーターを目指して移動。土壌成分の分析データなどを地球に送信する。
  

  
米無人探査車「スピリット」が、機体下部の障害物カメラで撮影した着陸用の台と地面についた車輪の跡。
台から約1メートル移動した。写真上部は機体の一部に台が反射して写っている(NASA提供・共同)
  
(平成16年1月16日付、北国新聞)
  
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