「オーロラあらし」発生源
地球の夜側6万キロの宇宙  九州大グループ
 
  オーロラの中でも特に激しい変化が数時間にわたって観測される「オーロラあらし」の発生源は、地球の夜側の約6万キロ離れた宇宙空間とする研究結果を、九州大の湯元清文教授(宇宙地球電磁気学)らのグループが7日までにまとめた。
 狭い領域で、地球磁場が何らかの作用で急激に変わり大量の電流が発生、オーロラの原因となる電子の供給源になっているとみている。
 オーロラは、太陽から吹き付ける電子や陽子が地球の磁力線に沿って北極や南極の上空に入りこみ、大気中の酸素や窒素の分子と衝突して起きる。
 オーロラあらしは、さらに大量の電子が流れ込んで発生するが、この電子がどこから来るのかについては、さまざまな説があった。
 九大グループは、環太平洋地域を中心に世界54ヵ所に磁力計を設置し、約1000のオーロラあらしと同時に観測された微弱な磁力線の揺れを解析。
 電子の供給源が、地球の夜側の11時の方向に約6万キロ離れた領域であることを突き止めた。この距離は、地球の半径の約9倍、地球と月との距離の約6分の1に当たる。
 
1989年冬にカナダ北部で観測された
「オーロラあらし」
(湯元清文・九州大教授提供)
 
<平成13年2月7日付、北国新聞にて>
    
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