地表サンプル、地球へ NASA火星探査新計画を発表 
    
【ワシントン26日時事】「火星にはかつて生命が存在したのか、あるいは今も存在するのか」−。人類が以前から抱いてきた疑問に答えようと、米航空宇宙局(NASA)は26日、2010年代までを見通した新たな火星探査計画を発表した。早ければ2011年に火星の地表から採取したサンプルをロケットを使って地球に持ち帰るという。 
  NASAは既に今年8月、2003年に2台の小型探査車を乗せたロケットを火星に向けて打ち上げると発表している。この日の発表は、その後の計画を示したもので、2005年には軌道上を周回する火星探査機を打ち上げ、上空から地表を詳細に探査する。 
 現在、火星を周回している無人探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」のカメラの解像度は大きさ3メートルの物体を見分ける能力だが、新型の探査機は20−30センチの物まではっきりとらえる。 
 さらに、2007年をめどに、科学研究室の機能を備えた移動型の探査機を火星に着陸させ、ほぼ同時期に、上空から地表を観察するバルーン型ないしは飛行機型の探査機を送り込むことも計画している。 
 2010年代には、ハイライトである火星のサンプルを地球に持ち帰る計画を実施。計画では、火星で採取した重さ1、2キロのサンプルをロケットで地球に向けて打ち上げる方式が採用される。2014年から16年ごろの予定だが、順調に進めば、2011年ごろにも実現させたいという。 
   
    
NASAが2003年(中央)と2007年(右)に打ち上げる予定の火星探査車の想像図。
左は1997年に火星に着陸した探査車で長さ65センチ、幅48センチの小型だった
(NASA提供・共同)

<平成12年10月27日付、北国新聞>

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