米無人火星探査機マーズ・グローバル・
サーベイヤーが撮影した火星
(NASA提供・共同)
「火星に水」の証拠 NASA発表へ
 
【ワシントン21日共同】米航空宇宙局(NASA)は21日、火星に液体状の水が存在することを示唆する証拠を見つけた、と明らかにした。無人火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが上空から撮影した写真を分析した結果分かった。22日に正式発表するとしている。
 地形の特徴から、火星にはかつて大量の水が存在したとみられているが、現在も水があることを示唆する証拠は初めて。水が確認されれば、火星に生命が存在する可能性も一気に現実味を帯びる重要な発見だ。
 NASAは詳細を明らかにしていないが、米オンラインメディアのスペースドットコムなどはNASA火星探査計画関係者の話として、水がわき出す泉があることを示す地形が見つかったと報じていた。
 火星には主に北極に、氷の形で水がある。しかし大気圧が低く、すぐに蒸発してしまうため液体の水は存在しないとされていた。このため、もし火星にかつて微生物など生命体がいたとしても、現在は絶滅しているとの見方が強かった。
 しかし水を示唆する証拠が見つかったことで、今後の火星探査では生命体探しに期待がかかりそうだ。
  
<平成12年6月22日付、北国新聞>
   
 
これが火星の「水の跡」
地下から浸出 谷川状の地形 
NASAが正式に発表

【ワシントン22日共同】米航空宇宙局(NASA)は22日、火星の表面に水の流れで削られたとみられる谷川状の地形が多数あることを無人探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーの観測で見つけた、と正式に発表した。
 発見した谷川状の地形は、風の浸食などを全く受けておらす「昨日できたばかりかもしれない」という。地下から間欠的に水がしみ出して谷川をつくっているとみられ、NASAは「火星に現在も液体の水が存在することを示唆する証拠」と指摘している。
 火星に現在も水があることを示唆する証拠が見つかったのは初めてで、生命が存在する可能性も現実味を帯びてきた。
 NASAによると、谷川状の地形はサーベイヤーが撮影した火星表面の約2万5000枚の写真のうち、約150枚に写っていた。

米無人火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが昨年9月に撮影した火星表面の谷川状の地形。地下の水がしみ出してできたらしい。画面は縦6.7キロ、横3キロの範囲をとらえている。(NASA提供・共同)

    
<平成12年6月23日付、北国新聞>
  
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