木星の衛星イオ    カルデラ亀裂から溶岩噴出

 米航空宇宙局(NASA)は18日、木星の衛星イオのカルデラ内で起きた噴火の様子をとらえた画像を公開した。
 噴火は米国の無人木星探査機ガリレオが昨年11月、イオに接近した時に撮影した。幅約50キロ、長さ約100キロのだ円形のカルデラ内にできた長さ約25キロの亀裂から、硫黄を主成分とする溶岩がカーテン状に噴き出している。溶岩の噴出は1.5キロもの高さまで達している、という。
 噴出する溶岩の部分は温度が高すぎ、ガリレオのカメラでは露出オーバーで白く写っていたが、研究者らが撮影データの分析結果を基に着色した。
 NASAは昨年12月、同じ場所をとらえた白黒写真を公開していたが、今回の画像はより広い範囲をカラーでとらえており、カルデラの地形などがはっきり分かる、という。イオは太陽系の中で最も火山活動が活発な天体。中には噴煙を高さ350キロまで噴き上げている火山もある。(ワシントン18日共同)

 

米探査機ガリレオが撮影した木星の衛星イオの火山活動。
カルデラ内の亀裂から溶岩(左上の赤い部分)が噴出している。
(NASA提供・共同)

<平成12年5月19日付、北国新聞>

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